小学校2年生が読んで楽しめる絵本

絵本が身近にありますか?ご自宅でお子様に読んであげていますか?一緒に楽しんでいますか?今回は特に、小学校2年生頃の子ども達に読んで、反応が良かった絵本を何冊か紹介します。

そういうわけで、メジャーな絵本ではなくかといって入手困難なレアな絵本でもない、図書館に行けば置いているような絵本を中心に選びました。

スポンサーリンク
koureimama336x280

目次

小学2年生の読み聞かせで子どもたちにウケた絵本

私は月に2回のペースで、小学校で絵本の読み聞かせをしています。早いもので小学校で読み聞かせのボランティアをし始めてから3年目になります。これまで1年生を担当し、そのまま2年、3年と同じ子どもたちを担当させてもらっています。

1年間2年生を担当して、たくさんの絵本を読みました。その中でも特に子どもたちが楽しそうに聞いてくれて、盛り上がった絵本を選びました。

ぼくのジィちゃん

かけっこが苦手な男の子に、おじいちゃんは早く走るためのアドバイスをしますが、男の子はがっかり。だって、当たり前のことしか言わないんだもん。運動会当日、やっぱりビリになってしまいます。その上、走るのが速いお父さんが仕事の都合でリレーに出られないことに。最大のピンチに、なんとおじいちゃんがお父さんの代わりを買って出た?!みんなは唖然。怪我をしないように走ってくれさえすれば・・・というみんなの思いを小気味よく裏切ってくれます。

運動会の前に読んでみました。かけっこが苦手な子へのエールとして、また子どもたちが楽しみにしている運動会への思いをさらに高めるためにも、良い絵本だと思います。

ふくろうくん

小学校の国語の教科書にのっている、がまくんとかえるくんシリーズの『手紙』のアーノルド・ローベル作。ふくろうくんはちょっと間の抜けたかわいいヤツ。短編が5話収載。

どのお話も子どもが大笑いして聞いてくれました。始めは「この本はね、絵本じゃなくて文字が多いんだけど・・・」というと一斉にブーイング。ところが読み始めるとみんなの意識がストーリーに集中しているのがわかりました。やっぱりちょっと間の抜けたふくろうくんのキャラが面白いのでしょうね。ふくろうくんに突っ込みを入れる声があちこちから聞こえました。

どうする どうする あなのなか

ねずみを狙っていたネコがねずみとともに穴に落ちました。食べられるものと食べるものが狭い穴の中で・・・。ネコはお腹がすき、ねずみを襲い掛かろうとしたその時に、ネズミに説得され、まずは穴から出る方法を考えることに。

縦型の絵本で、深い穴が際立つようなイラスト。穴から出ようと、ねずみとネコが奮闘する姿が面白く、とても盛り上がりました。

どこいったん

ジョンクラッセン作で、長谷川義史さんによる英語から大阪弁への翻訳です。大阪弁でのーんびりとした印象のクマ。大好きな赤い三角帽子が見当たりません。あちこち探し回りますがみつかりません。

でも最後に気づくのです。ぼくのぼうし・・・!いそいで帽子があった場所に戻ります。そして、衝撃のラスト。

さすがに小学校2年生ともなると、特に女の子は鋭いので必ずと言っていいほど、こちらから問わなくても指摘が来ます。うさぎはどこへ行った?の答えが。英語版ではなんと、重要キーワードが入っているのです。日本語でもまあ同じような推測は働くですが、ああもはっきり書かれていると、ドキッとします。

だんまりこおろぎ

秋にピッタリの絵本です。小学2年生には短い絵本かもしれませんが、音が出る絵本で読み聞かせでは結構盛り上がりました。男の子は夏は校庭でセミ取りに夢中の子もいるでしょう。秋になるとコオロギなどの秋の虫たちが草むらで鳴き始めます。

季節をちゃんと感じ取っている子どもたち。本からコオロギの鳴き声が聞こえるとワーッと喜びます。

かえってきたへんしんトンネル

『へんしんトンネル』のシリーズです。言葉がトンネルに入って出て来ると、別の言葉に変身しているというストーリー。いろいろな物や動物や人がぶつぶつ言いながらへんしんトンネルをくぐって、出て来る時に現れる言葉に笑い声が。かなり盛り上がりますが、どれだけ面白くできるかは読み手の技量にかかっているかも?

小学2年のわが子が食いついた絵本

大勢の子どもたちの前で読むときと違って、子どもと1対1で読むときはもっとじっくりと内容を考える絵本を読むことができます。少々ストーリーが長くても、複雑なストーリーや難しい言葉や表現が出てくる絵本でも、1対1なら読むことができます。

対象が一人なら、その子どもの関心あるジャンルに絞ることもできます。わが家で小2の子どもが好きだった絵本を紹介します。

むかし日本狼がいた

私には意外だったのは、子どもが何度もこの絵本を読んで欲しがったことです。「ニホンオオカミはもう日本にいない」という事実が、子どもには衝撃だったようです。絵本の内容は、絶滅したニホンオオカミがまだ人間の近くに住んでいた頃の話です。

思えばうちの子は今は存在しない生物に、興味を持つようです。例えばこのニホンオオカミ、それから恐竜などの太古に存在した生物などです。

赤いくつ

アンデルセン童話の『赤いくつ』です。女の子が赤い靴をとても気に入り、赤い靴を履いていってはいけない場所にも履いていきいます。育ててくれた老婦人が死の床にあるときですら、赤い靴を履いて舞踏会へ出かけました。老婦人は亡くなり、赤い靴に呪いをかけられてしまいます。赤い靴は休むことなく踊り続けます。疲れ果て、靴を脱ごうとしても脱げないのです。結局両足首を切断してもらい、命は助かるというストーリー。

子どもにはかなりの衝撃だったらしく、読後何度も絵本をめくって見入っていました。

ありがとう、フォルカーせんせい

著者の子ども時代の話です。小学校へ行っても文字が読めなかった少女。5年生になっても読めなくて、クラスメートからいじめにあいます。新しい先生フォルカー先生が少女の担任になりました。フォルカー先生に文字を徹底的に教えてもらい、ついに困難を克服します。フォルカー先生はクラスメートのいじめからも守ってくれる、とても良い先生でした。

小学校2年生になると、ほとんどの子は自分が他の子よりも苦手と感じる事があり、そのことを気にするという経験をしていると思います。少し長いお話ですが、集中して聞いていました。このストーリーに共感する部分があったのかもしれません。

モジャキのくすり

モジャキには秘密があります。それは自分の鼻くそを食べる事。とっても楽しみなんですって。もうそのことだけで、子どもは笑えますね!ある日、いつものようにこっそりと鼻くそを食べようとしていると、他の動物に見られてしまいました。いったいそれは何?という問いに対し、モジャキはつい「あたまのよくなるくすりだよ」とうそをついてしまいます。その噂が広がって、大変なことになってしまいます。

もうこれは、単純に親子で笑いました。同じ経験はしていないけど、どこか現実味のある話な気がして。

せいめいのれきし

長いけれど読み応えある絵本です。バージニア・リー・バートン作で、代表作として、コルデコット賞を受賞した『ちいさいおうち』があります。コルデコット賞はアメリカで出版された優れた絵本に贈られる賞です。

生物が誕生する前の地球。やがて海から単細胞生物が生まれ、それが進化して微生物、植物、さらに高等な生物へ進化していく様子が描かれています。気が遠くなるほどの年月をかけて、地球が変化してきた様を見開き1ページに時代別に駆け足でみることができます。地球の歴史に興味がある子どもには、不思議で魅力的な絵本だと思います。

まねきねこだ!!

不思議なイラストを描く高畠那生作。これは『だるまだ!』の続編なので、できれば『だるまだ!』から読んでもらいたいです。まねきねこが大量に、空からパラシュートをつけて降りてきます。怖いくらいに大量です。集合体恐怖症(トライポフォビア)を持つ人は、閲覧注意です。

まねきねこ集団が後進します。「ドコダ ドコダ ドコダ」え?何か探しているの?と思いつつ読み進めると、今度は「イタゾ イタゾ」となります。何がいたの?・・・そうです。「だるま」なんです。もう後はネタばらししないほうが良いと思います。第一弾とあわせてお楽しみください。ほんと、単純で笑えます。

小2の子どもと一緒に大人も楽しめる絵本

次に紹介する絵本は、小学校2年生ぐらいの子どもと親が一緒に読んで、親子そろって楽しめるものを紹介します。絵本によっては子どもだけが楽しそうにして、大人はただ子どもに読んであげるだけで実はつまらないということがあると思います。

人によって好みも違うので、つまらないと思う本、面白いと思う本は人によって違うと思いますが、今から紹介する絵本は大人でも考えさせられるテーマで描かれています。子どもには少し難しいと思われる内容もありますが、そんなときこそ大人が簡単な表現に言い替えたりすることで、親子そろって楽しむことも可能になります。

ちいさいきみとおおきいぼく

これは泣けました。小さいおおかみと大きいおおかみが、言葉を交わさなくてもお互いに気にしあい、次第に大切な存在になっていく過程に感動しました。読後、親子の絆がより大切に感じられるかもしれません。

だいすきなパパへ

ビーバー親子のお話です。ビーバーの男の子はお父さんが大好きです。でももう会うことができないお父さんに向けて、男の子はけなげに海辺で拾った木で、いろんな船を作ります。船が出来上がると、お父さんに届きますようにと願いながら、そっと波に運んでもらいます。

繰り返し繰り返し、男の子はお父さんに船を作りづつけます。横で見ているお母さん目線で物語を見て見ると、別の景色が見えてきます。ラストはちょっと泣きそうになりました。

がらくた学級の奇跡

『ありがとう、フォルカー先生の続編です。転校先でも特別学級に入ったトリシャ。普通クラスからバカにされる日々。特別学級はバカな子の集まりなんかじゃない、天才が集まっているんだ。そのことに気づかせてくれた先生と一緒に、がらくた置き場で拾ったがらくたで模型飛行機を作って、空を飛ばすのを目標に力を合わせます。

困難なことがあっても、人からバカにされてもくじけないで、自分の価値を信じて好きなことに取り組めば良いという気持ちにさせてくれる、勇気と力が湧いてくる絵本でした。

ぼくの図書館カード

黒人差別を背景とした、黒人少年の学習意欲と白人とのかかわりを描いた絵本です。低学年には難しい内容なので、難解な言葉は平易に説明を加えながら、子どもに読み聞かせました。わが子は真剣な顔で、長いストーリーを集中して聞いていました。幼いなりに理不尽な事柄に、何か感じるところがあったのかもしれません。言葉にならなくても、何かの感情を抱くことは大事だと思います。

貝の火

長いお話でした。初めはつまらなそうにしていたわが子でしたが、後半面白くて夢中になっていました。うさぎがひばりの子の命を助け、貝の火をもらます。それはとても美しい物でした。ひばりによると貝の火は「私どもの王からの贈り物」。手入れ次第でどんどん美しくなるとのこと。貝の火を手に入れたうさぎは、動物たちが自分に敬意を払うのがわかり、どんどん傲慢になっていきます。うさぎの変化を、小2でも敏感に感じ取っていました。

きつねやまのよめいり

きつねの家族のお話です。5人の娘が順番に嫁入りすることになりました。2番目、3番目と嫁に行くたびに自然が破壊されていく様子に、きつねは困惑しながらも適応していく姿が、絵本からうかがうことができます。ところが最後に悲しい結末が待っています。このような物語を読んだ時の子どもの反応を見ると、やっぱり何か感じているんだなということがわかります。

誰に読むか、どう読むかによって、選書が変わる面白さ

絵本の読み聞かせといっても、いろいろありますね。家で自分の子どもに読む場合、それも一人に対してなのか、歳の違う兄妹に一度に読み聞かせる場合。またはたくさんの子どもたちの前でする場合、これも同じ年齢の子どもたちに読み聞かせる場合、違う年齢の子どもたちに読み聞かせる場合があります。

読み聞かせのための絵本選びは、誰に読むのかによって変わってきます。聞いてくれる人の人数や年齢層によっても多少変わるでしょう。読む時間帯や季節によって変えるのも良いですね。

選書に年齢が影響すると書きましたが、一人に対して読むときには、私はあまり年齢を考えずに「この子が興味を持てるか」を軸にして選書をします。自宅でわが子に対してする読み聞かせの時がそうです。よく知っている子ども一人に対して読み聞かせをするときは、年齢の枠に縛られない方が読み手も聞き手も楽しめると思います。

難しい本を選んでも、適宜言葉を補足しながら読んだり、脱線しながら読み進められるからです。もしかしたらある分野については、大人も顔負けな知識を持っている子がいるかもしれません。そんなときは年齢にとらわれず、自由に本を選んでいいと思います。

だから絵本に対象年齢が書いていても、読み方次第でどうにかなる場合には、その対象年齢から外れていても平気で読みます。読む相手がどんな子たちなのかわからないときには、絵本の対象年齢を参考にしますが、私はあくまでも参考にする程度です。それよりも、経験で選ぶ比重は高いです。

日常の暮らしの中に絵本タイムを持つには

絵本は良いとはいえ、なかなか忙しい毎日に絵本タイムを持つことは容易なことではありません。読めないときがあってもいいので、読めないことが当たり前にならないように週に1回でも良いから、絵本タイムを最優先事項に持ってくる日を作ると良いかもしれません。

毎日の生活の中には、何時までにあれしてこれして・・・があると思います。規則正しい生活を送るためにはそれも大事だけれど、あまりにそこに比重を置いてしまうと、決めた時間通りに事が運ばないとイライラしますよね。私だけかな?

私の場合、イライラしてしまうときには、寝る時間が遅くなっても仕方がない、やると決めた勉強が終わらなくても仕方がない、今日は子どもとこの絵本を楽しもう!という風に考えてなんとか過ごしています。

読み聞かせを定着させるためには、一日に何冊読むとか、何時になったら絵本タイムと決めるよりも、寝る前に読むとか夕食後に読むとかお風呂の前か後に読むという風に、毎日決まって行う行為を基準にしてその前や後と決めたほうがうまく行くように思います。

ノウハウなど知識よりも、経験!うまく行かなくても、経験することが一番大事だと思います。その積み重ねが自分のメソッドになり、子どもと共有できる記憶になると思います。「あの人、本当に絵本をたくさん知っていてすごいわー。」という人が身近にいたら、その人はたくさん読んでいるということ。選ぶ絵本がわからないなら、手あたりしだいに読み漁ることがベストな方法だと思います。

それも時間ないワーなどの理由から上手く進められない場合には、この記事で紹介した絵本から開いてみてはいかがでしょうか。

スポンサーリンク
koureimama336x280

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする

スポンサーリンク
koureimama336x280