高齢出産 42歳の悩み多き妊娠生活

高齢出産とは、初めての出産が35歳以上のことをいいます。私は42歳で子どもを産みました。高齢出産はめずらしいことではなくなってきていますが、それだけ高齢出産に対する不安や感心が高まっているかもしれません。

当時、私は年齢が高くなると妊娠・出産時のリスクが高まるという認識はありましたが、経験してみると驚きやとまどいがいろいろありました。その中の妊娠に絞って書いてみようと思います。

目次

産婦人科で妊娠が確認されたとき

妊娠ですね、と医者に告げられました。その次に告げられたことは、高齢出産に伴うリスクについて、早口で恐ろしい内容を淡々と告げられたのでした。以下、項目別に見て行きましょう。

流産

まずは流産の確率が増えるということ。全体での流産率は10-15%であるのに対して、35歳以上だと20%になる。若い女性だと10人に1人が流産するところ、35歳以上になると5人に1人となるということです。

先天異常

ある調査では、25~29歳で1.88%、35~39歳では2.02%、40歳以上では2.38%の確率で先天異常が現れるとされています。特にダウン症の子が生まれる確率が高いといわれました。そこで、出生前診断を受けるか否かを考えておくようにいわれました。

妊娠高血圧症候群

ずっと低血圧気味だった私には無縁のように感じていた「高血圧症候群」。それでも20代の妊婦さんよりも、高齢妊婦さんは1.8倍のリスクがあると伝えられました。

帝王切開

高齢出産の場合、帝王切開になる場合が多いそうです。35歳未満は15.5%なのに対し、35歳以上では46.1%というデータもあります。

妊娠しても不安がいっぱい

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妊娠を病院で確認した後こんな話を聞かされて、心配性の私はすっかり不安になってしまいました。特に出生前診断については、夫婦でよく話し合わなくてはなりませんでした。

悩む出生前診断

若い時期に妊娠していれば、悩まずにすんだかもしれない・・・。やっと授かった命なのに、どうして今こんなことで悩まなくてはならないのか。医師から出生前診断はどのような検査かを聞きました。そして診断を受けるのなら早めに知らせるよう言われました。

羊水検査

お母さんのお腹に注射針を刺し、子宮内の羊水を取り出して検査します。出生前診断というと昔は主流だった羊水検査ですが、母体にかかる負担が大きいことと、流産のリスクがあります。現在はこれに代わり、次に紹介する新型出生前診断が選べるようになりました。

新型出生前診断(NIPT)

新型出生前診断はお母さんの血液で検査をしますので、母体の負担は軽く、流産のリスクもありません。けれどもこれで100%の診断ができるわけではありません。陽性と出れば、羊水検査で確認しますし、陰性と出ても100%先天異常のない子が生まれる保証があるわけでもありません。

この説明を受けたとき、費用のことは何も聞かなかったのですが、調べてみるとかなり高額な検査です。経済的にも負担を強いられます。

私達夫婦の決断

私の心は始めから決まっていました。本当に覚悟ができていたのかと聞かれると、自信はありません。けれども「いずれの検査を受けるにしても、陽性が出たら子どもをあきらめるのか?」と自問したとき、あきらめる選択肢はどう転んでもありませんでした。

私はそうでも、始めから夫婦の意見が一致していたわけではありませんでした。始めに夫が言ったことは、「先天異常を抱えた子どもが生まれた場合、本当に責任を持って育てられるのか?自分は自信がない」でした。

私達は何日も何度も話し合いました。結局行き着くところは検査をするかしないかではなく、「結果を見て、赤ちゃんを殺すのか殺さないのかの決断をするのか」でした。検査をすることだけでも心を痛めているのに、結果が出るとさらに辛い決断に迫られるのです。

その上、高齢出産で次の妊娠の機会を待てる可能性が少ない状態。羊水検査で流産の危険が高まる。その上新型出生前診断での結果が100%ではない事実。もしも新型出生前診断で陰性と出て、出生した子どもに先天異常があったら、どんな気持ちになるのか。・・・期待はずれ?・・・。そんなの、子どもに失礼だ。命について深く考えました。

そうしてはっきりした結論、合意にたどりつけぬまま、私達は「流れるままに、身を任せよう。授かり出生した子どもを迎えよう。これも運命。すべてを受け入れよう。」という考えに至りました。

妊娠時の不調

妊娠すると、今まで経験したことのないような病気のリスクが高まるのですね。私は妊娠時、自覚症状は全くなかったのですが、妊娠糖尿病の疑いありで検査を受けました。結果は陰性でした。

そしてもう1つ、自覚症状に気がついていなかったのですが、血液検査をしたときに貧血であることが判明しました。鉄剤を処方されました。「貧血です」と言われて、そういえば階段の上り下りがやけに息切れしていたな~なんて。思い返せば貧血の症状だったのですね。私は単に、体重の増加で階段の上り下りが辛くなっただけだと思っていました。

足がむずむずして眠れない!

その他、妊娠中にあった出来事は、夜になって横になると足がむずむずして眠れなくなりました。足の中に本当に虫がはっているような感覚。「むずむず脚症候群」。あれは本当に不快で眠れませんでした。不思議と立ち上がり、歩くと症状が消え、横になるとむずむず。足を思い切りバタバタさせたり、手でたたいたりするのだけれど、おさまりませんでした。

産科受診のときに助産師さんに訴えもしましたが、どうにもならず。「今の妊娠期間を楽しんで!」と言われるだけでした。

つわり?

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いわゆる「つわり」といわれる、ある匂いを嗅いだら吐いてしまうとか、お腹がすいたら吐いてしまうなどの症状はありませんでした。その点、とても快適でしたが、その代わり激しい睡魔に襲われました。仕事を週に数日していましたが、仕事のない日は家のことをやって、あとは夕方までずっと寝ていました。(むずむずは妊娠後期だけだったのと、夜だけだったので。)

眠りづわりというのがあるらしいということを、後で知りました。あの眠気は尋常ではありませんでした。もう自分の意思ではどうにもならない眠気とだるさ。

帝王切開

帝王切開には予定帝王切開と緊急帝王切開があります。出産前からわかっている病気や異常により、あらかじめ帝王切開になるのが予定帝王切開。高齢になるほどに増えるようです。また、陣痛~分娩の過程で問題が起きた場合、緊急帝王切開になります。こちらも高齢出産になると増えるケースのようです。

私は自然分娩の予定でしたが、予定日の1週間前に破水してそのまま入院。24時間経っても陣痛が来なかったので、陣痛促進剤の点滴を開始。陣痛が起こりましたが、子宮口が途中から開かなくなり、やむなく帝王切開でした。

今振り返ると

眠りづわりは辛かった(笑)。妊娠初期から後期までずっとありました。それから妊娠していたときは大阪市内に住んでいて、車を持っていなかったので、歩く機会が非常に多く、特に地下鉄の階段の上り下りが大変でした。貧血にかなり堪えました。

むずむず脚症候群は、精神的に病みそうでした。出産後も何度か経験しましたし、今でもたまにむずむずすることがあります。鉄分が不足しているとなるようですね。

出生前診断は受けないことに決めてから、私達夫婦はまったくと言っていいほど、子どもが先天異常を持って生まれたら・・・という不安を感じませんでした。不思議ですね。そして子どもは無事、帝王切開で生まれました。先天異常もなく、特にその他の異常も見つかりませんでした。

次回は高齢出産後に起きた出来事を、高齢ママの視点から書きたいと思います。

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