更年期のニキビ・吹き出物の原因と治し方
更年期に入ると、体のあちこちに不調が訪れます。子育て真っただ中では辛いですよね。今回は私が経験した不調の中から、ニキビ・吹き出物について原因と治し方について書きます。
目次
ニキビ・吹き出物の正体
ニキビって思春期にできるものと思っている人も多いと思います。じゃあニキビと吹き出物はどう違う?
実はニキビと吹き出物は医学的には全く同じもので、「尋常性ざ瘡(じんじょうせいざそう)」と呼ばれています。
ニキビ・吹き出物の原因とは
原因はいろいろあるようですが、大きく分けると次のように考えられています。
- 毛穴の詰まり
- 過剰な皮脂分泌
- アクネ菌の異常繁殖
毛穴の詰まりは、皮脂分泌の多い少ないに関係なく起こります。乾燥肌でもニキビ・吹き出物ができてしまうことがありますが、この原因が毛穴の詰まりです。皮膚が乾燥すると角質が上手く剥がれ落ちず、古く硬くなった角質が毛穴をふさいでしまうのです。
ストレスや睡眠不足などが原因で、肌のターンオーバーが乱れて毛穴が詰まったり、皮脂分泌が増えたりしてニキビ・吹き出物ができることもあります。
アクネ菌に関する誤解
アクネ菌が増えることがニキビ・吹き出物の原因と言っても、アクネ菌は全くの悪者ではないのです。アクネ菌は皮膚常在菌です。皮膚常在菌が皮膚の上に常に存在することで、皮膚に病原菌が繁殖しにくくしているのです。ちなみに皮膚が弱酸性に保たれているのは、アクネ菌が住んでいるからです。
アクネ菌に関する最も大きな誤解は、アクネ菌を退治することでニキビ・吹き出物が治ると考えることです。そのため強い洗浄力や殺菌力のある洗顔料で洗いすぎて、肌荒れを悪化させることもあります。
ニキビ・吹き出物ができるのはアクネ菌が「異常に」繁殖した結果、肌に炎症が起きるからであり、アクネ菌を退治してしまうと肌の状態が悪くなるだけなのです。
アクネ菌の異常増殖と炎症を引き起こす理由
アクネ菌は嫌気性菌といって、酸素の少ない環境を好む細菌です。皮脂は特に大好物のようで、皮脂腺など酸素が少ないところに住んで皮脂を栄養にして生きています。
毛穴が詰まると皮脂が外に出られなくなるので、皮脂腺や毛穴の中に皮脂が溜まります。それを栄養にしてアクネ菌はどんどん増えていきます。生物が食べ物を食べると排泄するのと同じように、アクネ菌も皮脂を栄養にするときに皮脂を分解するために酵素(リパーゼ)を分泌し、その結果代謝産物として遊離脂肪酸を作ります。
脂肪酸の中には刺激性の強いものが存在することが近年わかっており、アクネ菌の異常増殖によって生成された遊離脂肪酸によって、皮膚に炎症が起きるといわれています。
毛穴の詰まりによってアクネ菌はどんどん増え、毛穴の中に皮膚刺激性のある脂肪酸がどんどん生成されていき、炎症が拡がっていきます。
ニキビに気がついたらすぐにすること
実は私、ニキビはめったにできませんでした。思春期もニキビに悩まされることはなかったのに、更年期に入っていきなりニキビが。それも最初はとても大きなニキビが1-2か所。治りかけたと思ったらまた2つぐらい増え、人生でこんなにニキビができたのは初めてのことでした。
逆に言えば、ニキビとは縁がなかった人でも、更年期になるとニキビに悩まされる可能性はあるということですね。更年期であろうがなかろうが、ニキビの原因は上に書いた3つ。ニキビはニキビ。ニキビができる仕組みは同じなのです。
更年期ニキビの特徴
更年期ニキビの特徴は、ホルモンバランスによる皮脂分泌の変化にあります。更年期に入ると、エストロゲン(卵胞ホルモン)の分泌が減少します。エストロゲンは受精卵が着床しやすくなるように、子宮内膜を厚くする働きがありますが、その他にもいろんな働きがあります。
肌に関係することでいえば、肌のうるおいを保ったり、余分な皮脂分泌の抑制をしたりします。月経前になるとニキビができやすくなるのは、エストロゲンが減少して代わりにプロゲステロンが増加するためです。皮脂分泌を抑制していたエストロゲンが減るばかりではなく、皮脂分泌を促進するプロゲステロンが増えてくるので特に月経前になると皮脂分泌が増え、肌荒れもしやすくなっているのでニキビができやすくなります。
更年期になるとエストロゲンが減ってくるので、これまでエストロゲンにより抑制されていた皮脂分泌が増えてきます。
テカってる!私が気づいた変化
私の場合はニキビができ始める少し前から、自分で撮った自分の動画を見たときに鼻の頭が皮脂でテカっていることに気がつきました。30代後半あたりから皮脂分泌が少なくなり、元々乾燥肌気味だったので、洗顔料を使って洗顔すると肌がピリピリするぐらいでした。あぶらとり紙は全く必要ないほどテカらなかったはずなのに、この変化には驚きました。
でもそのときはさほど気に留めなかったのですが、程なくしてニキビが1つできたかと思うと、みるみるうちに数が増えていきました。そうなってからやっと、私は皮脂量が増えたためにニキビができているのだと認識できました。食べ物や生活面は以前と変わらないため、ホルモンバランスの乱れの可能性があると考えました。
更年期ニキビができる場所は年齢に関係ない
インターネットで調べると、思春期のニキビはTゾーン(額と鼻)、更年期ニキビはUゾーン(あご、フェイスライン)と書かれているのを見ました。私の更年期ニキビは鼻周りです。つまりTゾーンに入るエリア。
私が更年期ニキビに悩まされてから今この記事を書いている時点までで、鼻周りにできたニキビは10か所以上?数えていないので正確なところはわかりませんが、それぐらい。2-3個ずつ、治ってはでき、治ってはできを繰り返しています。
一方Uゾーンにできたニキビはというと、あごに2か所だけ。1か所できて、治ってしばらくして今また1つ、大きなのがあります。
結局のところ、Tゾーンは思春期、Uゾーンは更年期というわけではないと思います。そういう傾向にあるのかもしれないけれど、人によると思います。私がもっとも皮脂分泌が多いと感じているのは鼻の頭ですし、その辺りにニキビができることが多いです。
更年期ニキビの治し方
更年期ニキビの原因になる皮脂分泌の増加は、エストロゲンのせいだけとは限らないので、そこは誤解しないようにしてください。ストレスや寝不足、食生活なども影響しますので、個々人で総合的に原因を突き止めるしかありません。
そのことを大前提にして、更年期ニキビの治し方について私の経験も交えて整理します。
洗顔・保湿・生活の見直し
皮脂分泌が過剰になっているのでしたら、洗顔が有効です。洗顔によって毛穴の詰まりもかなり改善されるので、ニキビができにくくなります。
そして洗顔と同じぐらいに大事なのが保湿です。更年期になるとエストロゲンが減少するために、ただでさえ肌が乾燥気味になります。洗顔後はできるだけ早く、肌に水分と油分を適度に補給してあげましょう。
私の場合は皮脂分泌が増える前は、洗顔料で顔を洗うと肌がピリピリしていたので、朝も夜も洗顔料なしで洗顔していました。夜はメイクを落とすためにオイルクレンジングのみして、あとはぬるま湯で洗い流し、朝はお湯を出すのがもったいないという理由で、年中水で洗顔していました。
愛用しているクレンジングオイルは、アテニアのスキンクリアクレンズオイルです。W洗顔不要で、メイクの落ちが速く洗い流した後、オイルのヌルヌル感が肌に残らないので好きです。肌を傷めないためには、メイクは手早く落とすのがカギなので、おすすめのクレンジングオイルです。
顔を洗うのはぬるま湯で、というのが正しい洗顔方法として紹介されています。それは間違っていませんが、水で顔を洗っていても、私は何もトラブルはなかったです。むしろタオルでゴシゴシ強くこすったり、コットンの摩擦の方が悪いように思います。冷水は確かに刺激になるかもしれないけれど、そこを気にする前にタオルドライやマッサージやコットンの摩擦を気にする方が先だと思います。
洗顔料はせっけんベースの洗顔料よりはアミノ酸系界面活性剤や両面界面活性剤のような肌にマイルドなものがおすすめです。例えば、低価格帯のものでいくと・・・
ロート製薬 肌ラボ es
そこそこ¥高くなっても良いのであれば・・・
DUO ザ フォーム
などが低刺激の洗浄剤を使っているので安心です。
せっけんに対して多くの誤解があるようです。せっけんは脱脂作用が強いので洗浄力はありますが、乾燥肌で使うと肌がピリピリすることがあります。このような症状がある場合には、アミノ酸系の界面活性剤を配合した洗顔料がおすすめです。
界面活性剤というと悪い印象を抱く人がいますが、刺激の強いものもあれば低刺激なものもありますし、食品にも多くつかわれている界面活性剤を過剰に怖がる必要はありません。界面活性剤=100%悪だと決めつけないことですね。
薬で治すー病院で相談しよう
ニキビがひどくなってしまったら、自分で治そうとせずに病院へ行くのが最善です。理由はニキビが酷くなってしまうとニキビ跡が残ったり、炎症後の色素沈着がなかなか消えなくなるからです。
更年期になると若いときとは違って、ただでさえ肌の新陳代謝が鈍くなりターンオーバーが長くなるので、傷の治りに時間がかかります。
更年期ニキビにニキビ治療薬を使った私の感想
私は喘息持ちなため、ひと月に一度内科を受診しています。更年期に入った頃から、喘息以外の症状をメインにその内科の先生に診てもらっている状態です。喘息は吸入薬を処方してもらうだけで症状が安定しているので、今はめまい、頭痛、冷えなどの更年期症状のほうが辛く、きちんと健康管理していないと日常生活にモロ影響します。
ニキビが一旦治ってもすぐにまた新しいニキビができて、赤いニキビ跡は治りが遅く増える一方でした。もう自分の手に負えないと思ったので、いつも診てもらっている内科の先生に相談しました。するとすぐにニキビ治療薬を処方してくださいました。
アダパレンゲル0.1%
薬、結構効きます!「これはないやろ・・・」というほど、鼻にいくつも赤く腫れあがっていたニキビが、スーッと引いていきました。ニキビが治っても、しばらくは塗り続けたほうが良いです。次の写真はニキビ薬を塗って治っても、次から次へ新しいニキビが出てきているのがわかる写真です。
2018年9月1日ニキビ治療薬使用開始
2018年9月12日ニキビ治療薬使用12日目
2018年9月23日ニキビ治療薬使用23日目
このニキビ治療薬は皮膚を乾燥させ、皮がめくれたりするので炎症が引いたら塗るのを止めました。すると少し経つとまたニキビができるのです。でも塗っている間は毛穴が詰まらないみたいで、洗顔・保湿・にきび薬でニキビが治まりました。
ニキビが新しくできたのがわかったらできるだけ早くこのニキビ薬を塗ると、炎症を速く鎮めてくれるので効果的です。新陳代謝が落ちてくる更年期は、特に炎症を悪化させないのが一番です。
ニキビ治療薬ですが、結構肌に刺激があります。ニキビの炎症がひどいときには傷口にしみて痛かったです。ニキビ治療薬はできるだけ洗顔後の肌に塗らないようにして、化粧水と乳液またはクリームを塗った後、最後に塗るようにすると刺激が少し緩和されると思います。刺激がきついと感じる方は、ぜひその順番で試してみてください。
炎症後の色素沈着がなかなか消えないときは
ニキビ治療薬だけでは、炎症が鎮まった後に残る色素沈着は消えませんでした。普段のスキンケアをしていても、一向に沈着した色素が薄くならないのには凹みました。ずっと鼻の頭に赤とか茶色の点が残るのですから。ニキビが治まってもこれじゃあね・・・。
色素沈着はニキビ薬に頼れないことがわかったので、なんとかスキンケアで対処しようと思いました。とはいえ、家庭の事情があるため(笑)、高価な化粧品を惜しげもなく使うわけにもいきません。そこで元化粧品技術者である経験を生かさなくては!ということで、肌の新陳代謝を高めてくれる化粧品成分をいくつかピックアップしました。
美白作用、細胞賦活作用のあるプラセンタエキスでニキビ跡の改善を早める
その中で、過去に私が使ったことのある成分で、効果を実感したことのある「プラセンタエキス」を使うことにしました。それを普段使っている化粧水に混ぜて使うことにしました。
私が購入したプラセンタエキスと、使い方を次に紹介しますね。
プラセンタエキス20gスポイト付
プラセンタエキスには植物性、動物性、海洋性のものがあります。肌の細胞の新陳代謝を高める効果が高いのは、動物性のプラセンタです。動物性のプラセンタエキスは豚の胎盤から抽出しているものを使いました。上の画像が私が購入して使っているのと同じものです。原液をそのまま肌に塗っても良いのですが、高価なものなので私は普段の化粧水に混ぜました。
雑菌の混入を防ぐために、扱いやすいスポイト付きのプラセンタエキスを買いました。化粧水に滴下するときにも扱いやすいです。スポイト部分がどこかに触れないよう細心の注意を払い(コンタミの原因!)、必要な量採ったらすみやかに容器に戻しましょう。使う直前に冷蔵庫から出し、使ったらすぐに冷蔵庫に戻す癖もつけておくのがベスト。最大限の効果を引き出すための基本中の基本です^^
化粧品を自作する際に気をつける事
自作の化粧品を作る際には、基本的な知識がないと肌トラブルの原因になるので気をつけましょう。
化粧品を自作する場合、雑菌の混入と繁殖を防がなくてはなりません。そのため清潔な(殺菌された)保存容器を使うことと、防腐剤を入れるか、入れないなら冷蔵庫保管をした上で、数日中にすべて使いきるようにしましょう。
自作しなくても簡単にできる方法
私は自宅で化粧品を作ると上記のことが面倒なので、化粧水使用時に化粧水を手のひらに取り、そこにプラセンタを数滴落として使いました。プラセンタの濃さはどのようにしても構わないと思います。ただ相溶性に関して留意しておくことが必要です。
プラセンタエキスの説明書によると、0.1%カルボキシルビニルポリマー、1.0%カルボキシメチルセルロースにおいて、白濁、沈殿が発生する可能性があるそうです。この二つの「カルボキシル・・・」という成分は増粘剤として使われているので、化粧水にとろみがついているものは念のため避けるか、化粧品の全成分表示を確認してから混合するのが無難です。
プラセンタを使った結果・・・。プラセンタエキス使用前と、化粧水に混ぜて18日経った肌を写真で比べてみましょう。
プラセンタ使用18日経過 右側
プラセンタ使用18日経過 左側
ニキビ治療薬だけ使用していたときと、プラセンタエキスを化粧水に混ぜて18日経った肌の状態を比べると、違いがよくわかると思います。
ニキビ治療薬だけ使用していた時と、プラセンタエキスも併用して18日目の比較
完全に消失はしていませんが、かなり色素沈着がなくなりました!お化粧するとほとんどわからないレベルになりました。・・・が、最近また巨大なニキビが1つ、あごにできてしまい、トホホな状態です><;
ともあれ、炎症で赤ら顔またはボコボコのお顔になっていないので、この方法は成功!と結論づけます。
毎日肌チェック!肌トラブルは早く対処すれば治りも早い
最後に肌の良い状態を保つためには必須といえることについて書いて、この記事を終えたいと思います。
更年期ニキビの原因は、主にエストロゲンの減少と書きました。エストロゲンだけではなく、ストレスや睡眠不足、生活習慣も関係があるので、そこは自分自身がチェックしなくてはなりません。
常に自分の肌の状態を把握することはとても大事
私の場合でいえば、今年の夏に皮脂分泌が増えていることに気がつき、ニキビができ始めたので朝と夜の洗顔料を使った洗顔を始めました。
それから季節は移り変わり、今は秋。乾燥の季節ですね。ここ最近、肌がガサガサになって荒れてきたのと、洗顔後に肌がピリピリして、化粧水をつけても刺激を感じるようになりました。
肌コンディションが悪くなったら、原因を考えて速やかに対処する
肌がピリピリしはじめたのは、皮脂分泌が減ってきたのだろうと思いました。気温も下がって湿度も下がってきたので、肌が乾燥しやすくなっているのも影響していると思います。
早めに気がついたので、朝も夜も洗顔時に水だけで洗顔するようにしたところ、肌の状態が良くなりました。更年期はエストロゲンが減るといっても、一直線に減っていくわけではないので、ゆらぎはあると思います。だからこそ、毎日肌の状態を観察して、いつもと違うと思ったら、すぐに対処するようにしましょう。
参考にしたサイト
ニキビ・吹き出物の原因 | 薬と健康の情報局 (第一三共ヘルスケア)
皮脂 | 西日本化粧品技術者会
悩ましい更年期ニキビと、すっきりお別れするために | 摩耶堂製薬株式会社
更年期を快適に過ごすための基礎知識【卵巣ホルモンの働き】 | 花王ヘルスケアナビ