園児のママは更年期障害

出産をする女性の年齢が上がってきています。35歳以上、いわゆる高齢出産を経験する女性はどんどん増えているのですね。私もその一人。高齢初産(35歳以上で初出産すること)でした。42歳での初産でした。

産むまでは病院のサポートが心強いですが、産んでしまうと他のお母さん達と一緒。実は育児こそが高齢で子どもを産むときに、どっしりとのしかかる大きな問題だったのです。以下、私の経験も交えて、ありえる話をまとめてみたいと思います。それで終わってはもったいないので、対処法もできるだけ記したいと思います。

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目次

育児と更年期障害

一般的に日本女性の更年期は40代後半あたりからの10年ほどといわれているようです。日本女性の閉経年齢が平均50歳前後らしいので、ちょうどそれを真ん中にした10年間ということになります。

更年期障害は、女性ホルモンであるエストロゲン(卵胞ホルモン)の急激な減少によるものです。閉経が近くなってくると、エストロゲンが減少してくるそうです。それ自体は自然なことなので病気ではありませんが、急激な減少があると、身体にさまざまな不調が現れます。その不調の現われを更年期障害と呼んでいます。

症状はさまざまで、以下のようなことに心当たりがあると、更年期障害の可能性が高いそうです。

□ のぼせ、ほてり
□ 動悸、息切れ
□ 多汗
□ 胸の痛み
□ めまい、ふらつき、耳鳴り
□ 身体がだるい、疲れやすい
□ むくみ
□ 頭痛
□ 腰、肩、背中、手足が痛む
□ 吐き気、腹痛
□ 冷え
□ 頻尿
□ 太る、痩せる
□ 抜け毛
□ イライラしやすい、憂鬱
□ 不眠

現在49歳の私は、ほとんど全部の症状があります。このうち、病院で薬を処方してもらっているのは、めまい、耳鳴り、冷え、むくみです。これらの症状は特に、日常生活に支障をきたすほどにひどかったからです。

さてここで考えたいのは、35歳以上で子どもを産むと、子どもが何歳ぐらいのときにお母さんが更年期に突入、あるいは更年期障害に悩まされるのかです。

子どもの年齢によってはかなり辛い時期

子どもの成長過程で、魔の3歳児という言葉があり、第一次反抗期が高齢ママにとってはもっとも辛い時期の1つなのではないでしょうか。

魔の2歳、悪魔の3歳

2歳はイヤイヤ期の真っ只中。その時期は「魔の2歳」と呼ばれています。英語でも「terrible twos」という言葉があります。お母さんが手を焼く時期ですね。そして悪魔の3歳といわれる時期がやってきます。

なぜ2歳が「魔」で、3歳が「悪魔」と呼ばれるかというと2歳はまだ赤ちゃんの名残もあって、最後は抱っこして動かすことがまだ出来るのに対して、3歳になると口は達者になって言いくるめることが難しくなり、身体も大きくなるのでお母さんの力ではなかなか大変だということなのです。

そのときのお母さんの年齢

私の場合、子どもが2歳のときには44歳(45歳になる年)、3歳のときには45歳(46歳になる年)でした。ちょうど更年期に差し掛かる時期です。当時は気がつかなかったのですが、47歳ぐらいになって明らかに身体がおかしいし、このままにしていては日常生活を送ることが難しいとなり、病院を受診しました。それまでも何度か不調に陥るたびに病院へ行ったのですが、年齢も微妙であったし、自分自身も自覚がなかったので、通院にはいたりませんでした。

私がもっとも注目したいのは、身体的なことはもちろんなのですが、精神的なことです。つまり更年期に入るとホルモンのアンバランスから、ただでさえイライラしがちになるのです。

育児ノイローゼ?

私の経験ですが、丁度子どもが2歳のときに夫の仕事の関係で、私が生まれ育った関西を離れて、知り合いのいない土地へ転居してきました。ただでさえ見知らぬ土地への転居はストレスになります。どこへ行くにも車が移動手段なのに、苦手だった車の運転をしなくてはならなくて、土地勘がない上に極度の方向音痴。そのうえ更年期プラス第一次反抗期。は~・・・。

子どもが2歳から3歳にかけて、子どももストレスでチックが出ましたが、私も相当なストレスを抱えていました。この頃から、予期せずめまい発作が出るようになりました。いつ出るかわからない。めまいが起きると自分の身体が上を向いているのか下を向いているのかすらわからない状態で、目が開けられないほどグルグル回る恐怖を感じる上、ずっと嘔吐しっぱなし。身動きすると激しく回るので、救急車を呼んで救急隊の人に担架で運ばれるのも一苦労。入院したこともあります。

高齢出産で私の親は80代だったので、応援を頼むのは無理。それ以前に遠方に住んでいる上、母は昔に他界しており、父しかいない。夫の両親は病気のために気軽に応援は頼めません。夫の仕事は激務で毎晩子どもが寝てからの帰宅。土日もなく、数ヶ月休みなしで働くこともザラ。

子どもの反抗期と更年期が重なったことにより、精神的に不安定になりイライラがめまいを誘発したことがあったかもしれません。私は自宅で仕事をしていて、昼間は子どもを保育園に預けていたのですが、夕方になり子どもを迎えに行く時間になると、吐き気をもよおす毎日でした。子どももいきなり知らない子ども達と先生に囲まれる生活と、私の情緒不安定からか、保育園から帰宅すると人格が豹変するかのように、毎日小一時間泣き叫びました。

子育て中にはいろいろ辛い時期はありますが、私にはこの時期が一番きつかったように思います。自分がわが子を虐待するのではないかという強い不安に襲われたり、夕食を作るときに泣き叫び足元にすがってくる子どもの顔が悪魔の挑発のように見えて、包丁を持つ手が震えたことが何度もありました。一線だけは越えてはならない・・・。一線を越えてしまうと歯止めがきかなくなる。心が壊れそうになる自分に何度もそう言い聞かせて。虐待する親の気持ちがわかった気がしました。

身体的な不調は場合によっては動けなくなりますし、とても辛いことですが、精神の不調もまた、とても辛いものです。たかがイライラの感情、と家族や周りの人には軽く見てもらわないで欲しいところですね。適切な助けや声かけがとても大事だと思います。

我が家の場合、夫の声かけや、気遣いがありました。ピンチのときに仕事を中断して一時帰宅してくれたことが救いになりました。夫の両親への応援は、私が病院で処置を受けている間に話をしてくれていたり、倒れたときにゆっくり休める環境を作ってくれたことはありがたかったです。どうにもならないときは、遠慮せずに周りに助けてもらってください。

後日談ですが、不調で夫の両親に子どもを預かってもらったとき、帰宅した子どもの様子が明らかにおかしかったのです。私に寄り付こうとしないし、私のことを嫌いだという。でもそれは好きの裏返しで、なぜ急に家からママがいなくなったり、ママは家で寝ているのに、自分は家に帰れないのかが理解できずに苦しんでいたのでした。そういう子どもの気持ちも読み取ってあげて、子どもを安心させてあげることは大切だと思います。

精神的に追い詰められたとき、有効だった方法

憂鬱な気持ちに襲われて落ち着かないときに、関西で出産したとき転居するまで月に一度訪問してくれていた助産師さんのアドバイスがかなり有効でした。更年期にはいると憂鬱な気持ち、イライラすることが多くなります。更年期でなくても、出産後に憂鬱な気持ちになることがありますよね。私は出産後しばらくの間、ある強迫観念に襲われて精神的に大変だった時期がありました。

そんなときに助産師さんにいい対処法を教えてもらいました。自分の中に溜まっている悪い「気」を外に出すようなイメージで、深呼吸をします。鼻から息を深く吸い、息を吐ききります。息を吐くときに、足の裏から床へ、悪い気が出て行くようなイメージを浮かべます。すると息を吐くたびに、重たい心が軽くなる気がしました。すっきり解消!とまではいかないのですが、気持ちの持って行き場がないほどに追い詰められたときには、かなり落ち着きを取り戻せます。お試しください。私は子どもが赤ちゃんの時から3歳ぐらいまで、この方法がとても有効でした!

更年期との付き合い方

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若い頃は平気で夜更かししたり、睡眠時間を削っても平気だったのに、40歳も半ばに差し掛かると、こういう無理がきかなくなります。こんなはずではないと抵抗すればするほど、不調が身体に襲いかかります。

現状を受け入れることが必要

病院の先生からのアドバイスは、次のような内容でした。更年期というのは今までの自分が別の人間に生まれ変わるほどの変化が起きる時期。これはもう自然の成り行きで、仕方がないことなので抵抗しないことが症状を緩和する1つの方法です。今までと違う自分を受け入れることが、一番楽に更年期を乗り切る方法です。

これはなるほど、と思いました。しかし小さな子どもの育児真っ最中のお母さんには、そう簡単にはそうですかと従えないときも多々あります。子どもは待ってくれない。今がそのとき。どんなに疲れていても、身体に鞭打って動かなくてはならないときもあるでしょう。

けれどそれも一時のこと。言葉がわかり、理屈がそれなりに理解できるようになると、徐々に子どもはお母さんの体調を理解して気遣ってくれるようになると思います。うちは子どもが5歳ぐらいになると、どうしても辛いときに時間制限を設けて、少しだけ横にならせてもらいました。短いときは5分、長いときで30分ぐらいですが、がまんして一人で遊んでくれたり、ご飯を食べてくれたりしてくれました。

子どもに先がわかるようにする

時間を決めておくのがコツだと思います。子どもはいつまでそうしていればいいのかと不安になります。申し訳ないけれど、食事時に気分が悪くなって一緒に食卓にいられないときに、10分だけ(長い針がここにくるまで)寝室で寝てきてもいい?と聞くようにしていました。子どもは時間になったら寝室へ呼びにきてくれます。正直、まだまだ回復とまではいかなくても、ひとまず危機的状況が緩和されたことに感謝し、子どもを寝かしつけるまでの数時間をがんばろうと思うのです。

食べるのが遅いわが子でしたが、私が寝ている間に全部食べて、驚かしてやろうとか、褒めてもらおうと企むようです。そういう状況を楽しんでみるのもいいかもしれません。

私の場合はめまいの発作がくると、すべての予定がふっとびます。子どもを保育園に車で送り届ける途中でめまい発作が起き、救助を待つ間子どもに不安な思いもさせました。そういう経験もあって、それ以降はママがめまいになったら、救急車かパパに連絡してねと教えています。場所がわからないときは、まずパパに。手順をわかりやすく伝えています。子どもは保育園で5歳でしたが、それなりに責任感を持ってママを守ると頼もしい表情をしてくれました。

最近になってようやく、めまいが起こりそうな兆候がわかるようになったし、めまいの薬も常備しており、ある程度ですが未然に防ぐことができるようになりました。いつも体調のことは子どもに説明しているので、ちょっと身体の具合がおかしいときには、正直に子どもに話します。すると子どももさっと気持ちを切り替えて対応してくれます。物事がある程度わかるようになったら、子どもにもきちんと説明してこの先のことが予測できるようにしてあげるとよいと思います。

更年期障害 家族との関わりと気持ちの持ち方

身体の調子が悪いし、検査しても特に病気が見つかるわけではない。そういう状態が余計に不安を募らせます。特に子育て中は自分に何かあったら即、子どもに影響してしまうのでなおさらですね。

けれどもこればかりは不安になってもどうしようもありません。先生のアドバイスのように、そんな自分を受け入れるしかないのです。上手く付き合っていく方法・知恵を見つけることが一番だと思います。子どもに頼れるときは頼りましょう。要求をはっきりわかる形で伝え、それをしてくれたら大丈夫だから安心するように説明すると、頼っても大丈夫だと思います。

それから夫にも自分の身体の状態を説明して、助けてもらえることは助けてもらいましょう。だれでも相手の都合を無視して命令するように言うと反感を抱くので、客観的に自分の状態と困っていることを伝えたほうがよいでしょう。くれぐれも自分は子育てでこんなに大変なのだからとか、私の気持ちはわからないというような接し方はやめましょう。いいことは1つもありません。相手に不満があっても、それを表に出さないほうが結局は上手くいくと思います。

そして一番難しいのが自分の気持ちの持ち方です。予定していたことができなくても、自分を責めないことです。少し甘やかしてる?ぐらいで丁度いいのかもしれません。知らぬ間に自分を責めて、自分を苦しめていることはよくあることです。自分に寛容になれなくては、家族や他人にも寛容になるのは難しいでしょう。困ったときはお互い様なのです。

そして私が考えるもうひとつ大事なことは、人を妬まないこと。たとえば若いお母さんはこんな苦労がなくていいわねとか、あそこの旦那さんはいつも仕事から早く帰ってきて、子どもの世話をしてくれていいわねとか、両親のサポートがあっていいわねなどと思わないことです。そのような思いも、結局自分を苦しめることになります。いいじゃないですか。今できることを無理のない範囲でして、家族の理解が得られていれば。「大丈夫、上手くいく」と思いましょう。

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