子どもの絵本 買う?借りる?
子どもに絵本を、と思ったときに、買うか借りるか考えますか?私は子どもが生まれてから、よく考えるようになりました。私なりの考えと、いろいろ調べてざっとまとめてみることにしました。
目次
絵本を買う派の理由
子どもの絵本は購入するという人の多くは、お子さんが0歳から2歳未満ぐらいの人のようです。理由は、その時期は読むというよりも触って遊ぶから。噛んだり舐めたり投げたり引っぱったり。図書館で借りた本だと、子どもが好きなようにさせられないですね。本を壊してはならないというのと、衛生上も問題もあります。
その他の理由として、絵本をいつも手元に置いて好きなときに見れるようにしたいというのも多いです。
また、毎月本屋さんが子どもの年齢に適した良い絵本を選んで、数冊送ってくれるようなブッククラブに入っているという人や、図書館が遠い、返却するのが面倒などの理由もあります。
絵本を買うメリットとデメリット
絵本を買うメリット
絵本を破いたり齧ったりしても安心、いつでも読める
絵本を買うと自分の物となるので、どのような扱いをしようが自由です。図書館で借りると破いたり落書きしたり濡らしたりできないので、とても気を使いますよね。小さいうちは口に入れようとするので、衛生的にも気になります。
絵本がいつも手の届くところに在ると、子どもは気が向いたときに絵本を開くことができます。子どもは気まぐれなので、大人が「さぁ、絵本を読みましょう」と環境を整えても、そのときに絵本を読む気分ではないと集中してくれません。常に手の届くところへ置いておけるのは、大きなメリットと言えますね。
実はいつも子どもの手の届くところに絵本を置くというのは、とても意味のあることです。家に絵本があると、子どもは同じ本を何度も何度も親に読んでとお願いします。そうするうちに、子どもは絵本の内容を覚え、空で言うようになります。そうなると「読む真似」もできるわけで、子どもはとても喜んで読む真似をします。
そういう行為が、自然に自発的に文字を読む意欲へとつながり、子どもが字を覚えていくきっかけになるかもしれません。これはどの子も必ずなるわけではなく、個性によりますし、図書館で絵本を借りる子どもにこのようなことが起こらないというわけでもありません。ただ常に(同じ)絵本が子どもの手の届く場所にあることで、そのような環境ができやすいというだけです。
絵本を買うデメリット
お金がかかる、置き場所の問題
際限なく子どもに絵本を買い与えることができるならよいのですが、大概は「予算」との兼ね合いで買う絵本を決めなくてはなりません。また、買っても全く読んでくれなかったら嫌だなという気持ちが、大人にはあるでしょうね。
買ったはいいが、置き場所に困るというのもよくある話です。子どもの物といえば、絵本だけではありません。おもちゃなどもあります。ただでさえ物が多くなりがちな子持ち世帯ですから、重たい本の置き場は切実でしょうね。絵本を100冊以上所有しているご家庭では、子どもの絵本専用に本棚を置いたりしているようです。
絵本を借りる派の理由
借りる派が多いのは、子どもの年齢が小学校に入るあたりのご家庭のようです。もっとも多い理由はいろんな本を読ませたいというもの。小学生あたりになってくると、幼児期よりは絵本を読む量が増えていますから、うなずけます。
絵本を買う予算をあまり取らないというご家庭もあるようですね。またどんな絵本を気に入るかわからないので、購入よりは借りてみるという意見も目立ちました。
絵本を買うメリットとデメリット
絵本を借りるメリット
無料でたくさん読める、絵本の置き場所に困らない
図書館へ行って絵本を借りると、いくらでも子どもの興味の赴くままに、または親が読んであげたいと思う絵本を、気軽に手にとることができます。図書館には絶版になってしまった素敵な絵本もたくさんありますので、書店では買い求められない絵本を読めるのは大きなメリットですね。
置く場所も経済的にも大助かりなのは、図書館利用ですね。
絵本を借りるデメリット
絵本の取り扱いに注意が必要、赤ちゃんは衛生上の問題もある
絵本を図書館で借りた場合、絵本を汚したり破損しないように気をつけなくてはなりません。子どもなのでうっかり不注意で水に濡らしてしまったり、ページをめくるときに勢いよくめくって破いてしまったりは、ありがちなので親の注意が必要ですね。
赤ちゃんはまだまだ絵本を読むというよりは、投げて遊んだり舐めたり齧ったりしたいので、図書館の絵本を自由にさせておくことは不可能です。本の破損も気になりますが、衛生的にも気になりますね。
絵本 購入と図書館の両方を上手く使う派
両方を上手く使う人たちも多く存在しています。私はまさにこのグループに入ると思います。ではどんな風に使い分けるのか、見ていきましょう。
赤ちゃんのうちは絵本をおもちゃのように扱うので、図書館で借りる絵本よりは自由に触らせてあげられるよう、また衛生的にもいくらか安心できるように、購入するという人が多いです。
もっともすべてを購入というわけでもなく、読み聞かせてあげる絵本の何冊かは借りた絵本です。借りた絵本は親がしっかり管理して、子どもに触らせるときには横についていたいですね。
借りた絵本の中で、子どもが気に入ったもの、親がもっと読んであげたいと思ったものについては、購入するという人が多いように思います。
子どもが大きくなって、いろんな絵本に興味を持つようになった時期には、手持ちで足りない分を図書館で借りてくるのも手ですね。実際には3歳あたりから、購入派だった人も図書館で絵本を借りる割合が増えてくるようです。
我が家の場合
借りた絵本の扱い方
我が家は子どもが赤ちゃんの時から、図書館通いをしていました。ベビーカーを押して家から25分ほど歩いた距離に、図書館がありました。当時はビジネス街に住んでいたので、外遊びさせる場所が周りになく、散歩を兼ねてベビーカーで出かけていました。
その頃の私は絵本にあまり詳しくなく、表紙を見て赤ちゃんが興味を示すかなと思ったものを直感で選んでいました。毎回8冊程度借りていました。2週間が貸し出し期限だったので、2週間ごとに返してまた借りての繰り返しでした。
直感でと書きましたが、選ぶのは「赤ちゃん絵本」の棚から。ブックスタートという行政の取り組みで、図書館の人が赤ちゃんには、色や線がはっきりした絵本が良いですと言っていたのを覚えていたので、絵がはっきりしていてパステル色よりは原色使いの絵本を選んでいました。
0歳の私の子どもが喜んでいたのは、ディック・ブルーナの赤ちゃん絵本です。下の画像がディック・ブルーナの赤ちゃん絵本シリーズのうちの1冊で、子どもがこのシリーズで一番喜んだ絵本です。線と色がはっきりしていて、赤ちゃんには見やすいようです。
借りた絵本は私が持ち、子どもに読み聞かせるスタイルで統一していました。子どもをひざの上にのせて読むのですが、子どもが手を伸ばすと届くか届かないかぐらいの距離で絵本を持って、読んでいました。
買った絵本の扱い方
買う本は子どもが自由にしていい絵本でした。子どもが0歳から1歳の間は、仕掛け絵本や触って楽しむ絵本が良いようでした。下の画像の絵本は子どもが大好きで、2歳ぐらいまで読んで読んでといわれて読み続けました。
買った絵本だったので、自由に子どもに触らせるようにしましたし、また触って楽しめる要素のある絵本を基準に買いました。齧ったりもしていましたが、赤ちゃん用で丈夫に作られていたので、壊れたりはしませんでした。
こんな絵本も赤ちゃんのとき、喜びました。
The Very Hungry Caterpillar Finger Puppet Book
『はらぺこあおむし』の洋書ですが、青虫の頭部分が人形になっていて、裏表紙から人差し指を入れて動かせます。青虫を動かしながら読んであげると、とても喜びました。ボードブックで重たいので、少し注意が必要ですが、少々噛んでもなんともないぐらいに頑丈です。
子どもの成長にしたがい基準も変化
子どもが絵本を口に入れたりしなくなってからは、購入する絵本が増えてきました。全体的に読む絵本の冊数も増えているので、借りる冊数も増えています。私は子どもの誕生日やクリスマスに、3-4冊プレゼントしていました。また、子どもの祖父母からプレゼントに何がいいと聞かれたときに、絵本をお願いすることがよくありました。
最近は記念日ごとにまとめて絵本を買うことが少なくなりました。出かけたときに書店へ行くと1冊買ったり、絵本作家の読み聞かせ会や講演会へ子どもと出かけて行き、その絵本作家の絵本を買ってサインをしてもらったりしています。サイン入り絵本は特別で、小学校1年生になると少しわかるようで、サインをしてもらった絵本作家の絵本を図書館で借りたがるようになりました。
地図や図鑑の類も購入したい本ですね。我が家にあるのはMAPS。大きくて存在感があります。子どもはいつも見るわけではないけれど、ふとしたときに開いて見ています。そろそろ生き物図鑑など、身の回りにあるものの中で、調べ物ができる本が欲しいなと思っています。
子どもが絵本を齧る 私の考え方
赤ちゃんの時期は、絵本は読むものというよりもおもちゃですよね。触って投げて振り回して、舐めて齧る。どこのご家庭も似たり寄ったりではないでしょうか。うちもそうでした。
赤ちゃんは何でも口にいれる
調べてみると、そういうときの親の接し方として、叱る必要はないけれど、齧っているときには優しく口から絵本を離し、絵本は読むほうが楽しいよということを、伝わらなくても忍耐強く伝えていくのがよいと書いている記事を読みました。
絵本をボロボロになるまで齧りつくしてしまったり、びりびりに破いてしまう赤ちゃんもいるかもしれませんね。お母さん方は頭を悩ませることでしょう。
我が家の子どもが絵本をおもちゃと認識している時期を思い出してみると、確かに齧ったり振り回すので困りはしたけれど、それほど深く悩んでいなかった記憶があります。悩むほど子どもがその行為に執着してはいなかったからかもしれません。
赤ちゃんはみんな持っている共感覚
それほど苦労していない私ではありますが、このことに対して、自分なりの考えがあります。赤ちゃんのときは、口の中に入れていろんなものを確かめる時期がありますよね。まだ視覚が発達していない赤ちゃんには、共感覚といって触覚刺激から受けた情報を視覚情報としても共有する事が出来る能力を持っているらしいのです。だから何でも口に入れようとするのでしょうね。
だから絵本も口に入れるのは自然なこと。「なんだろう?」という外の世界に対する興味からの行動なので、仕方がないのですね。だから大人が危なくないように、赤ちゃんの側で見てあげなくてはならないでしょう。問題は少し大きくなって、視覚でいろいろな情報を得ることができるようになってからも、まだ口に入れたり、絵本を投げたりしておもちゃとして扱う行為が続くことです。
具体的に何歳からということは一概には言えないと思いますが、ある程度大人の言うことが理解できるようになってからでしょうか。絵本は読むものであるということを、理解してもらいたいですね。
一緒に絵本を楽しむときを共有する
これは私見ですが、そうであってもいちいち「絵本は読むものよ」なんて言う必要はないと思います。大人が子どもに絵本を読む姿勢、大人の絵本の取り扱い方を幼児なりに見て、親の真似をするようになる気がします。
うちでは気がつくと子どもが絵本を口に入れることはなくなっていました。きっと共感覚に頼らなくても、目で見て認識できるようになったのでしょう。ただ5歳ぐらいになった時期に、絵本の上を平気で歩くようなことが何度かありました。それぐらいの年齢になったら、してはいけない行為はきちんと言葉で説明して理解させることは大事だと思います。
身近な大人を見ていたら何も教えなくてもよいというのも極端で、やはり子どもが気がついていないこともたくさんあるので、そういうときは子どものわかる表現で伝えていくことは大事ですね。本の取り扱いは習慣によるところが大きいと思うので、大人と一緒に丁寧に扱うことを心がけるといいかもしれません。