絵本の選び方
お母さんになって自分の子どもに絵本を読んであげたいと思ったときに、「どうやって絵本を選ぼうか」「どんな本を選んだら子どもは喜んでくれるだろうか」などの戸惑いがあるかもしれません。そんなお母さんを始めとする大人たちへのヒントになればと思い、いくつかの視点で絵本の選び方をまとめました。
目次
名作・ロングセラー・昔話から選ぶ
まずはもっとも無難な方法といえるのが、名作・ロングセラー・昔話から探す方法です。長い間多くの人々から指示されてきた絵本ですから、高く評価されるほどの何かがあると、私は感じます。大人ならどこかで一度は聞いたことのあるストーリーであることが多いので、懐かしく感じることでしょう。
同じタイトルでも、原作であったり簡易化したバージョンがあることがありますので、子どもの成長にあった絵本を探してみましょう。
書店・図書館のおすすめ絵本から選ぶ
現物を見て決めたい人には一番おすすめの方法です。書店や図書館で本を開いて選べるのがよい点ですが、中を見てもどれを選んだらいいのかわからない事もあると思います。そんなときには、書店や図書館のおすすめ本の中から選んでみましょう。
書店の店員さんや図書館の司書さんに選んでもらってもよいですね。子どもの性別や年齢、興味を持っていることなどを聞かれると思います。
インターネットで人気のある絵本から選ぶ
インターネットは便利ですね。子どもに人気のある絵本、お母さんに人気のある絵本、対象年齢別におすすめの絵本など、あらゆる視点から調べることが可能です。
けれども絵本の中が見れないと、なかなか購入する気持ちにはならないと考える人は多いかもしれません。そこで私がおすすめのサイトをいくつか紹介したいと思います。
「絵本ナビ」はためしよみができる
一押しのサイトは「絵本ナビ」。いろいろなサイトを見た中で、私はここが一番情報がそろっているように感じました。絵本のジャンル、年齢、テーマ、ランキングなどから選べるようになっています。
ためしよみができる絵本もあります。会員登録をすると、全ページ読める絵本もあるようです。中が見れない絵本については、レビューを参考にすることができます。絵本ナビから気に入った絵本を購入することもできます。
絵本の専門店 こそだてナビゲーション
このサイトは年齢別おすすめ絵本や図書館の絵本ランキング、テーマから絵本を探すこともでできます。購入も可能です。
アマゾンは急いでいる時に重宝する
アマゾンも年齢・テーマなどから絵本を探すことができます。もちろん購入も可能で、超速で手に入れたい場合には、年会費を払えば購入時に無料でお急ぎ便サービスが使えます。詳しくはサイトをご覧ください。
自分が楽しいと思えるものを選ぶ
自分自身が絵本を好きでなければ、いきなり楽しいと思える絵本や好きな絵本を探すのは難しいかもしれません。でも、子どもへの読み聞かせを続けるうちに、自分の好みがわかるようになってきます。そうなってくると、書店や図書館へ行った時に、店員さんや司書さんにおすすめを聞かなくても、自分が好きな絵本を見つけることができるようになります。
子どもに読み聞かせしたいと思ったときに、「子どもの好きな絵本はどれだろうか」という視点で探すばかりではなく、「私が好きな絵本」という視点で探し、子どもに読んであげるのもいいと思います。読み手が楽しい・面白いと思うと、子どもも楽しい・面白いと思ってくれるのはよくあることです。
自分好みの絵本を選ぶときには、読み聞かせる子どもの年齢なども少し考えて、難しくない内容だと思ったら、読み聞かせしてみましょう。
子どもの好みから選ぶ
子どもへの読み聞かせを続けるうちに、子どもが喜ぶ絵本が何となくわかってきます。記録などつけずに読みっぱなしにしていても、頭の中に読んだ絵本の反応がインプットされていくのでしょう。特定の作者の絵本が好きになる子、ハチャメチャなストーリーが好きな子、動物が出てくる絵本が好きな子、不思議な話が好きな子、乗り物の絵本が好きな子、優しい色使いや反対にどぎつい色使いの絵本が好きな子など、いろいろです。
まだ字の読めない子どもが、書店や図書館で自分で選ぶこともあるかもしれません。それを読んであげると、とても喜ぶものです。自分なら決して進んで読まないような絵本を子どもが選んできたので、しかたなく読んであげると意外と自分も面白くてハマったりすることもあります。そんな不思議な出会いもありますよ。
賞を取った絵本から選ぶ
受賞作品は、インターネットで検索するとすぐにわかります。また、上で紹介した「絵本ナビ」のサイトの中の「テーマで選ぶ」から、賞を取った絵本の一覧を見ることができます。絵本ナビ いろいろな絵本(種類別)こちらのリンク先サイトの右カラムにある「いろいろな絵本(種類別)」をクリックすると受賞絵本一覧を見ることができます。
絵本に与えられる世界のさまざまな賞の中から、特に歴史のある3つの賞を下記に紹介します。
コールデコット賞
アメリカ合衆国で、その年に出版された最も優れた子ども向け絵本に毎年授与している賞で、1938年から続いています。19世紀イギリスのイラストレーター、ランドルフ・コールデコットを記念して名付けられた賞です。ニューベリー賞(児童文学賞)と並んで、アメリカで最も権威のある賞です。
ケイト・グリナーウェイ賞
イギリスの絵本作家、ケイト・グリーナウェイにちなんで1956年に英国図書館協会によって設立された賞です。一年間にイギリスで出版された絵本のうち、特に優れたものの画家に対して贈られます。
日本絵本賞
社団法人全国学校図書館協議会と毎日新聞社が主催で、日本国内で出版された絵本に贈られる賞です。1978年から1992年まで全国学校図書館協議会と読売新聞社が主催していた絵本にっぽん賞を継承するものとして、1995年から開始されました。
絵本は子どもだけの読み物じゃない
私は絵本を読んだ記憶がほとんどなく、大人になってからは英語で絵本を読み始めました。その頃はまだ子どもはいなくて、自分の英語の学習のために読んでいました。はじめは正直なところ、絵本は子どもの読み物だと思っていましたので、英語学習のために仕方なく読んでいたのが現実でした。ところが次第に絵本の世界に魅了されていき、英語の絵本を読んで泣いている自分がいました。やがて子どもが生まれて、日本語の絵本を読んでも、感動は同じでした。
絵本は子どもから大人まで楽しめる読み物です。子どもは子どもの、大人は大人の楽しみ方があるのです。人生経験を積んだからこそ感じられる重みや深みが、絵本にはあります。今よりも10年後、20年後、30年後に読むたびに、絵本を読んだときの思いが変わる・・・。絵本とはそういうものだと思います。そんな絵本を、子どもと一緒に楽しめたら素敵ですね。